Four Dancers 11/9 本番までの記録

Four Dancers への出演が決まったのは、8月あたま。
かなり緊張感のあるお誘い。ソロとしては初出演で、何故だか、アバンギルドのFour Dancersへの出演依頼は、他のどの企画に誘われるよりも一番緊張する。

一人できっちり流れ(振り付け)を作ってパフォーマンスしたのは、今回がほとんど初めて。
ダンサーが出演の折に、きっちり作品を作ってもってくるか、完全即興でいくのか、どちらを選択するのかそれぞれ理由はあると思うが。

今回は、構想を練るまでに比較的時間があったこと、東京に来てから30分以上の即興をやることが多かったので、ちゃんと丁寧に流れを決めてみる・作ってみる・考えてみる、という作業をしたいと思ったのと、共演者がChieさんだったこと、20分の時間感覚が分からなかったので、ある程度決めておく方が安心だったこと等が、理由として挙げられる。

Chieさん(http://chiecello.com)との共演は3度目。
しかしここまでじっくり対話を重ねたことは初めてだった。
最近気になっていること、考えていることを共有し合う作業が3ヶ月近くひたすら続いた。

彼女は私の投げかけを程よく受け止め、また返してきてくれる。どっぷり共感するでもなく、分からないと考えを突き放すでもなく。
その強弱加減が、心地よく、自分も驚くほど言葉数多く、考えを展開させてもらえた。

こんな風にやりとりを行える相手はそう多くはないと思った。
Four Dancers出演はかなり緊張することで、そんな中、信頼できる方を共演者に選べたことは本当に良かったと感じた。

それに、ちょうど夏までの半年間の悶々とした生活を一新するために、望まない多くのエネルギーと時間を割いていた時期だったので、創作に集中する感覚を取り戻せるとても良い機会となった。


今回の為に稽古を続けていて感じたことは、ある程度流れを決めても、最終的に必要になってくるのは、やはり即興力。

稽古をしていて「この感覚を扱いたい」という瞬間は幾つも発見できるのだが、本番のその時その瞬間に同じ感覚にまた出会えるか、それは簡単なことではない。

緊張による力加減も違う、観客がいるかいないかでももちろん違う。
結局、その場所でしか得られないもの必要になるものを、どれくらいビビットにインプットしアウトプットできるか、その機敏さを鍛える以外に、パフォーマンス力を上げる方法は結局はない気がした。

もちろんその動きに伴う基礎体力、筋肉や柔軟性は培っておく必要はあるが、一番必要なのは即興力。

そんなことを確信した時間だった。


前日は、住居である団地の全体掃除を近所の奥さん方としたり、パートタイムの仕事に行ったりと、主婦として慌ただしくしていた。千葉の田舎のベットタウンで生きるための義務、その時間をたっぷり過ごしていた。

そういう時間を過ごす時に、京都や東京で行われている創作の時間はとても遠いことのように感じる。
ある人が、「地元の田舎の現状を考えれば考えるほど、アートとは至極都会的なもののように感じて、その世界は遠く感じた。」というようなことを言っていたが、私もここに来て依頼、心からそうだと思った。

しかし今回は、前日の日常生活の時間を過ごす自分と、本番直前、創作に気が立っている自分とを不思議に行き来することを楽しんでいたようだった。今回の創作の時間が、いつにも増して、日常の自分に常にあるものを見つめる時間だったし、普段の生活にとって遠すぎることを扱ってはいなかったからだと思う。

いまやっていることを続けようと思った時、日常との切り替えは、どんどん必要じゃなくなる。
慌ただしくも平凡な主婦としての日常と、創作の時間の距離がより無くなっていくようにしていきたいと感じた。



写真撮影:山下一夫
※ 2・10・11枚目以外

















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